表装とは?

日本の伝統工芸の中で、特に長い技能伝承の道をたどってきた貴重な技能の一つであり、書画をかいた紙や布地を他の織物や紙にはって、巻き物・掛軸・額・屏風などに仕立てること。

主な表具の種類

古墳時代
・・・・・・ 紙が中国より伝来
飛鳥時代初期
・・・・・・ 神社などで和紙が使用される
奈良時代
・・・・・・ 木格子の両面に紙を張ったつい立て障子が出現
平安時代初期
・・・・・・ 寝殿造りにはめ込み式の襖が使われる
平安時代中期
・・・・・・ 引き戸としての襖、障子が誕生
室町時代
・・・・・・ 書院造りの代表的建具として襖・障子が普及
    床の間の前進「押板」の誕生で掛軸が普及
桃山時代
・・・・・・ 絢爛豪華な障壁画が普及
江戸時代
・・・・・・ 床の間のある和室の空間構成が完成
    一般庶民の家にも広く普及

それぞれの用途、形体によって現在も掛軸・額・屏風・衝立て・襖として普及

表装の歴史を支えてきた様々な和紙

本鳥の子

本鳥の子

がん皮を原料に手で漉いたもの。名称は未さらしの紙が卵色をしていることに由来する。滑らかな光沢が特徴。

新鳥の子

新鳥の子

機械漉きの場合が多く、原料はみつまたとパルプ。様々な色や絵柄を漉き込んで加工和紙を作ることが多い。

茶裏新鳥

茶裏新鳥

パルプと古紙を原料とした量産品。自然な風合いは少ないが、価格の手頃な商品として多く出回っている。

麻紙(マシ)

麻紙(マシ)

麻を原料に漉いたもの。丈夫で破れにくいため、襖紙に肉筆画を描く際によく用いられた。

楮紙(コウゾシ)

楮紙(コウゾシ)

クワ科の楮を原料に漉いたもの。薄くて破れにくく、素朴な質感と独特な風合いがある。

加工和紙

加工和紙
加工和紙

柿渋を染み込ませたもの。杉皮を漉き込んだもの。楮と土、ワラを漉き込んだ土壁風のもの。さらし楮とワラを漉き込んだものなどがある。