◆掛軸の構成◆

     掛軸を鑑賞するとき、作品とともにどのような表装がなされているかをよく見ておくことも
     重要なポイントとなる。

【各部名称】

一幅の掛軸には、図のように部分部分の名称があり、見所となっている。

@作品

絵画や書、季節や催事に合わせたものを選考するのがポイント。
山水絵、人物絵、六字名号、高砂、日の出、鶴亀

A中廻し

金襴や緞子などを使用し、最も作品を引き立てる大切な役。

B一文字

作品の上下の生地とのつなぎの作用をし、絵を引き締める効果がある。ここは特に金襴でも良い生地を使う。作品の周辺に細くその生地を廻すことがある。これを一文字回しと言い高級表具にもてはやされることがあった。

C上下地

中廻しによって引き立てられた作品の上下を延長し、バランスを整える遠州、緞子などを使用する。

D軸先

象牙、牛骨、鹿角をはじめ、焼き物や、紫丹、黒塗りなど作品にあったものを使う。安物ではプラスチック製をつけることもある。仏表具では、金軸と言って本金メッキをしたものを使うことがある。

E風袋(ふうたい)

一文字と同じ裂と上下の裂を使用、あっさりした上下を飾る。

F掛緒

かん吊り下げるための紐を通す金具

G軸木

軸を巻き取って収納する時の芯になる。吊り下げた時のおもりにもなる。

H柱

裏打ち肌裏、中裏、総裏の3裏にもなる。安物でも2裏にはする。

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